はじめに
こんにちは。トランジェンのHです。ここではトランジェンが持つ技術的な情報を掲載します。これから翻訳支援ツールであるTradosの、タグ化についてお伝えしましょう。タグ化とは、HTMLタグなどの翻訳対象ではない部分をTradosがタグ化して保護する機能のことです
サンプル
さて、次の文章を持つHTMLファイルを翻訳することになったとしましょう。
Install <strong>AAA</strong> that is pre-installed in your <strong>BBB</strong> memory.
サンプルとして使用するため、<strong>タグで囲まれたテキストは単純なAAAとBBBに置き換えています。このstrongタグはHTMLで文字を強調するタグです。囲まれた文字は太字になります。
Install <strong>AAA</strong> that is pre-installed in your <strong>BBB</strong> memory.
大文字と小文字の区別はHTMLにはありませんが、タグはstrongでなければいけません。
失敗例
strongと全角になったり、
Install <strong>AAA that is pre-installed in your <strong>BBB memory.
ストロングと翻訳されてしまったり、
Install <ストロング>AAA that is pre-installed in your <ストロング>BBB memory.
strognとスペルミスすると、
Install AAA that is pre-installed in your BBB memory.
翻訳者がタグの中まで翻訳してしまうと、このタグは効果を失ってしまいます。ようするに、このタグは翻訳しないで欲しいわけです。
タグを保護する
ではTradosはこのタグをどう処理しているのでしょうか。TRADOSでは、HTMLのタグの部分をタグ化して処理してくれます。
<strong>タグが大きく囲まれていますね。HTMLの基本設定に含まれているので、Tradosがタグ化してくれています。HTMLタグをTradosがタグにして保護する事によって翻訳されずにすみます。
さらに、タグ化することによって、翻訳文章とは関係のないマークアップ言語であるHTMLの部分を色分けすることにもなります。これは翻訳者が翻訳をする工程において大きな助けとなるでしょう。
次回はタグに囲まれた文章を翻訳して欲しくない場合(保護したい場合)はどうするのか?について解説します。それではまた。