はじめに
こんにちは。トランジェンのHです。ここではトランジェンが持つ技術的な情報を掲載します。前回はタグを保護する「タグ化」についてお伝えしました。今回はタグ以外で保護したい(翻訳対象外にしたい)文章があるときにはどうすれば良いかについてお伝えします。
サンプル
前回使用した文章を再びここに掲載します。
このAAAの部分ですが、ここでは製品名であり翻訳対象外にしたいのです。つまりはここが「AAA」と全角になったり「あああ」と日本語になっても困るのです。
文書を翻訳対象外にする理由
Tradosはタグ内の文章を翻訳対象外にできる
翻訳対象外に設定するためにはタグに囲まれていなければなりません。Tradosはタグの設定により、タグに囲まれた文章を翻訳対象外とします。翻訳対象外にするにも目印がなければいけません。そのための目印がタグなのです。そのため事前に翻訳対象外に設定したい文章はタグにで囲っておく必要があります。この工程があらかじめ行われているのか、行われていない場合にはタグで囲うコストと、意図しない翻訳がなされるリスクを天秤に掛けることになるでしょう。
Tradosで翻訳対象外に設定する
ここではHTMLファイルの場合について説明します。 ホームから「プロジェクトの設定」をクリックして「プロジェクトの設定」ウィンドウを開きます。「新規作成」ボタンをクリックして新しい「ファイルの種類」を作成します。
種類は「HTML」を選択します。
ファイルの種類の情報を設定します。ここではsampleとしました。「次へ」ボタンをクリックします。
「検索対象」に今回翻訳対象外としたいタグを入力します。サンプルではstrongタグで囲まれているので、strongと入力しました。次に「編集」ボタンをクリックして、タグの設定へ移ります。
プロパティの「翻訳」で「翻訳対象外」を選択します。これでタグに囲まれた文章が翻訳対象外となりました!「OK」をクリックしてTradosに戻り、もう一度翻訳ファイルを作成します。
結果
strongタグに南京錠のアイコンが付き、タグ内の文字の色が灰色になりました。これでstrongタグの開始からstrongタグの終わりまでが一つのタグのように扱われます。そのことによって、タグ内の文章を含めてあたかもひとつのタグのように扱えます。訳文にこのタグがないとTradosはタグの数が違うというエラーを出します。これによって翻訳対象外としたタグが訳文に必須であり、かつタグの中の文章は翻訳されない、という当初の目的が達成されました。
次回は今回紹介したタグの設定で翻訳対象にすることについてのTradosの癖について解説します。実は今回と前回の2本の記事は次回のための基礎知識的内容でした。次回は少し高度な内容についての解説となりますが是非ご覧ください。 それではまた。