こんにちは。TrangenのHです。今回は「プロジェクト用翻訳メモリ」の記事をお送りします。
以前、お客様からこのようなプロジェクトファイルをいただきました。
翻訳メモリの下にアイコンのない翻訳メモリがあり、上の翻訳メモリと線でつながっています。
調べてみたところ、この線で繋がれた翻訳メモリは「プロジェクト用翻訳メモリ」を表しているようです。
プロジェクト用翻訳メモリとは
まずはTradosのヘルプを見てみましょう。
プロジェクト用翻訳メモリについて
ヘルプには下記のようにあります。
プロジェクト用翻訳メモリには、プロジェクト用に選択したメインの翻訳メモリから抽出された翻訳が含まれます。指定した最小の一致要件を満たす翻訳のみが、プロジェクト用翻訳メモリに抽出されます。
つまり、元となる翻訳メモリの内プロジェクトで使用されている翻訳だけを抜き出した、新しい翻訳メモリのことを「プロジェクト用翻訳メモリ」というらしいです。
この翻訳メモリの利点はなんでしょうか? ヘルプには次のように書いてありました。
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プロジェクト用翻訳メモリは、プロジェクトのライフサイクル全体を通じて更新され、翻訳者が使用できます。これにより、まだ承認されていない翻訳が主要の翻訳メモリで更新することを防げますが、翻訳者の間で共有することができます。
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プロジェクト用翻訳メモリをプロジェクト パッケージに含めることも、そのプロジェクト専用に新しいプロジェクト用翻訳メモリを作成することもできます。大きい主要の翻訳メモリがあり、パッケージのサイズを小さくしたり、翻訳者に表示される結果のスピードを早くする場合、これは役に立ちます。
承認されていない翻訳を翻訳者の間で共有したり、翻訳メモリのサイズを小さくするという効果があるようです。
それでは早速、プロジェクト用翻訳メモリを作成してみましょう。
実際に作成してみる
対象とするプロジェクトを右クリックして、一括タスクからプロジェクト用翻訳メモリの入力をクリックします。
ここではサンプルプロジェクトを対象にしています。
対象とするファイルなどを選択します。次へをクリックして、実行します。
完了したようです。
プロジェクトの設定画面へ移動して、翻訳メモリの項目を見てみましょう。
翻訳メモリの項目が冒頭のスクリーンショットのようになりました! 成功です。
ここで作成したプロジェクトメモリは、プロジェクトファイルのあるフォルダのTMフォルダ以下に保存されます。プロジェクトの設定からはメインの翻訳メモリにくっついている特殊の翻訳メモリのように見えますが、実態は普通の翻訳メモリと全く同じなので、個別に使用できます。
おわりに
Tradosのプロジェクト用翻訳メモリの紹介でした。
規模が大きい翻訳メモリを使用する際に便利なのではないでしょうか。
それではまた。